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「ケガでも大丈夫!? 合宿で見つけた仲間のチカラ」

◆ 合宿スタート

夏休み、三大ジュニアのTEAM2025は、恒例の合宿にやってきた。山に囲まれた自然いっぱいの場所で、朝から晩までバレーボール三昧だ。
「もっと強くなるぞ!」
キャプテンのみかぜが声を上げると、はるか・まい・りいさ・めい・あいきも「おーっ!」と元気よく答える。

そんな合宿に参加したのが、三大ジュニア出身の中学生「ゆうこ」。この春に「円陣バレー」で足をケガしてしまい、今は激しい運動ができない状態だ。
「でも、久しぶりにみんなと合宿したいなと思ってさ」
そう言って、ゆうこは笑顔を見せる。だが、その足には痛々しい包帯が巻かれていた。

◆ どうやって参加する?

合宿初日、TEAM2025は体育館で早速ボールを打ち合う。スパイクのフォームを確認したり、サーブ練習に励んだりと、みんな汗を流している。
一方のゆうこは体育館の隅のベンチに腰かけたまま、動こうとしない。
「ゆうこさん、ボール拾いぐらいはできるんじゃない?」
りいさが笑顔で声をかけるが、ゆうこは「ごめん、足が痛いし…」と横を向いてしまう。
「じゃあ、わたしが荷物運ぶから、ゆうこさんはスコア表つけてくれない?」
とまいが頼んでも、ゆうこは首をかしげ「うーん、気がのらなくて…」とぼそり。

みかぜやはるか、めい、あいきも気づかって声をかけるが、「みんなのジャマになるし…」とゆうこは遠慮がちでなかなか動かない。

◆ みんながゆうこをサポート

夕方、体育館から宿舎へ戻る途中。ちょっとした坂道で、ゆうこは足をひねりかけて「わっ!」と体勢を崩してしまった。
「大丈夫!?」
すかさず、はるかとまいが駆け寄り、ゆうこを支える。
「ごめん… 痛い…」


ゆうこの表情が苦しそうだ。すると、めいがあわてて近くのベンチへ誘導し、あいきがタオルを取り出しながら言った。
「ちょっと冷やしたほうがいいかも。ゆうこさん、こっちに座って!」
りいさは急いでアジャを呼びに走る。
みかぜはゆうこの肩に手を置いて、「もしつらかったら、いつでも言ってね。わたしたちにできることあるはずだから」と優しく声をかけた。

けがしているゆうこが「何もできない」と思い込んでいるかもしれないけれど、周りのみんなは「自分たちがゆうこを支えよう」と当たり前のように動いていた。

◆ できることは探せばある

翌朝、体育館に向かうと、ボールがいくつか空気が抜けてしぼんでいることに気づいた。
「しまった、昨日のうちに空気入れるの忘れてた!」
りいさが青ざめて声を上げると、まいも「あーどうしよう!」とあたふた。
そんなとき、はるかがゆうこに声をかける。
「ねえ、これなら座ったままでもできるよね?」
と空気入れを差し出すと、ゆうこは少しうつむいたまま、「……うん、私にもできるかも」とつぶやいた。

やり始めると意外に夢中になるもので、次々とボールの空気がしっかり入っていく。すぐそばでめいが「ありがとう、助かるよ!」と声をかけると、ゆうこはふっと笑顔を見せた。

さらに練習がスタートすると、みかぜが言う。
「ゆうこさん、バレー教えるのうまいですよね? 周りのアドバイスとかしてくれない?」

「プレーできなくても、映像を撮ってもらうだけで、わたしたちの動きがチェックできるんだよ」
はるかやあいきも続くと、ゆうこはカメラを手にコートのまわりをゆっくり歩きはじめた。
「ここはもう少し動きが早いといいかも…」
声をかけると、りいさが「なるほど!」と急にいいレシーブを見せて、ゆうこも「やるね!」とうれしそうに笑う。

◆ ゆうこの意識が変わる

夜、食堂でみんなが晩ごはんの準備をしていると、まいが「よいしょ」と大きな鍋を運ぼうとしていた。
「まい、それ重そうだよ。私が押さえてあげる!」
ゆうこが素早く立ち上がり、鍋のふちをしっかり支える。いままでなかなか行動に移せなかったゆうこが、自然に手伝いをしているので、周りは少し驚く。
「あ、足は大丈夫?」
「うん、みんながサポートしてくれるし、これくらいなら平気!」
ゆうこは笑顔で答える。みかぜ、りいさ、めい、あいき、はるか、まいは一斉に「ありがとう!」と声をそろえた。

◆ 最終日の気づき

合宿最終日、ゆうこはみんなの前で小さく頭を下げる。
「足が痛いからって、最初は何もする気がしなかったんだ。でも、みんなが優しく声をかけてくれて、わたしもできることをやろうって思ったら、意外といろいろ役に立てるんだね」
あいきは「ゆうこさんが映像撮ってくれたおかげで、フォーム直せたし!」とテンション高め。
りいさは「私なんて、絶対に拾えなかったボールを拾えた瞬間が映ってて、超うれしかったよ!」と笑顔。
はるか、まい、めいも「ありがとう!ゆうこさん」「アドバイス助かった!」と口々にお礼を言う。

すると、キャプテンのみかぜが静かに言った。
「ケガをしていても、ふつうにプレーできなくても、まわりとかかわる気持ちがあれば、ちゃんとチームの力になれるんだね。みんなもそんなゆうこさんを支えてくれて、すごくいい雰囲気だったよ」
ゆうこは照れながらもうれしそうにうなずき、「みんなのおかげで、ここにいてもいいんだって思えた!」と笑顔を見せた。

◆ みんなで掛け声

帰りの車に乗る前、荷物をまとめ終わったチームは、宿舎の入り口で輪になった。
「せーのっ!」
みんなで声をあげると、通りかかったアジャも思わず笑顔を向ける。
みかぜやメンバーがはしゃぎながらかけ声をかけると、ゆうこも「やるぞー!」と元気よく拳を突き上げた。

こうして、TEAM2025はケガで思うように動けない仲間にもできることがあると知り、さらに絆を深めて合宿を終えたのだった。

友情出演:ゆうこセンパイ

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